ASCO 2015 肺がんレビュー

ASCO 2015 肺がんレビュー

2015 ASCO Annual Meeting 肺がんレビュー Strengths and Limitations

2015年5月29~6月2日(米・シカゴ)

がん領域の世界最大級の学会であり、世界100カ国以上から3万7,000人以上が参加する第51回米国臨床腫瘍学会年次集会(ASCO2015)が、「Illumination and Innovation: Transforming Data into Learning.」をテーマとして、米国・シカゴで2015年5月29日~6月2日に開催されました。

今回は、和歌山県立医科大学内科学第三講座助教の赤松弘朗先生と新潟大学医歯学総合病院高次救命災害治療センター特任助教(呼吸器感染症内科)の三浦理先生のお二人に、肺がん領域に関するトピックスとして、「免疫治療」および「ドライバー変異」、そして「既存薬の新しい可能性」に分けて、TOP3と思われる演題を選定(計9演題)いただき、解説記事をご寄稿いただきました。

解説部分につきましては、各試験結果の”Strenghs”と”Limitatoins”を明示していただいたうえで、わが国の実臨床において今後どのような影響が期待されるかなどを、「今後の展望」として掲載をさせていただいております。

さらに、和歌山県立医科大学内科学第三講座教授の山本信之先生には、各テーマ別に、総括コメントもいただいております。是非ご一読ください。

  • テーマ1.免疫治療

    和歌山県立医科大学 内科学第三講座 教授
    山本 信之 氏 統括コメント

    肺がんに対する効果は確か、今後数年の治療開発の中心に

    免疫療法は、免疫チェックポイント阻害薬の登場により、様相が180度変わってきている。肺がんに対して効果が出るのは確かであり、この種の薬剤が、今後少なくとも数年は肺がん治療開発の中心を占めるのは間違いがない。

    現時点では押し並べて効果があるというよりは、一部に対して非常に長期間の有効性が認められることが示唆されている。患者選別のための適切なバイオマーカーの発見に期待したい。

  • テーマ2.ドライバー変異

    和歌山県立医科大学 内科学第三講座 教授
    山本 信之 氏 統括コメント

    世代間のTKIの最適投与順序の決定を

    今回の発表とこれまでの報告から、第三世代EGFR-TKI、第二世代ALK-TKIは一次治療(1st-line)として使用しても有効であり、第一世代耐性例にも効果がある可能性が高いことが示された。

    ただ、残念ながら治癒には至らない。また、第三世代EGFR-TKI, 第二世代ALK阻害薬投与後に第一世代の効果が出る可能性は少ない。これらを踏まえると、今後は、それぞれの薬剤単剤としての有効性の検討ではなく、これら世代間のTKIの最適な投与順序を決定するための臨床試験が必要になるだろう。

  • テーマ3.既存薬の新しい可能性

    和歌山県立医科大学 内科学第三講座 教授
    山本 信之 氏 統括コメント

    忘れ去られた既存薬剤で高効果、すぐにでも臨床使用可能

    免疫療法やドライバー変異に対する治療ほどの花々しさはないが、重要な報告がなされている。

    中皮腫に関しては、ペメトレキシド以外に有効な薬剤がなく、今回のベバシズマブの報告は朗報である。シスプラチン+ペメトレキシドと放射線の併用療法は、新しい治療の選択肢が加わったという点では、評価をしたい。また、これまで治療の進歩がなかった扁平上皮がんに対して、既存の忘れ去られた薬剤で高い有効性を示すことを明らかにしたネダプラチンの報告は、すぐにでも臨床使用ができる点で重要であろう。

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